いつまでも続かなかった意味。

ずいぶん若かった頃。

とても衝撃的な体験をした。そこには気分が良い感覚と、まさかの喪失感とが同時にあった。

その中で私はとにかくそこから現実に帰りたくない、そして帰るのが怖いとも思いとても悩んだと思う。

悩んだ挙げ句、結局あの手この手で帰らないようにしている自分がいつの間にか、生まれていた。そのためなら、どんな手を使ってもとまで思う自分が、自分を追い詰めたと思う。

…その結果、ずいぶん歳を取った今もまた、気分が良い感覚と、おなじくまさかの喪失感の中にいる。そうならないようにやってきたと思うのに、結局望んだ姿にはなれていないということを、この1年くらいではっきりと自覚した。

この1年は、その自覚のために与えてもらった1年なのかも知れない。その方法じゃダメなんだと。それが分かったので、終わったのだと。

好きなことをやればいいんだと、今日もどこからか聞こえてくる。

けど、それって実際はそう言えるまで誰にも知られない所で努力しているんだと、改めて強く思った。

よく、やろうと思った時はもう遅いと言うがこれは本当だと思う。

これからやり直す時間はあるのか。やり直したいと望む自分に、その時間は与えられるのか。

途方に暮れる自分がいる。

これからどう前進して行くのだろう。どうやればいいんだろう。

ぶつかった時は素直に何かに相談しようと、今の自分ならなんとか思える。

いちおうそういう自分には、なれたと思う。